【THE PINK MINDS】 新体制ワンマン「桃色レジスタンス」【REPORT】

matsumoto

2026年8月12日。雨の渋谷、濡れたアスファルトを傘の花が埋め尽くす中、Spotify O-WESTの周囲には開場前から長い列が伸びていた。強まる雨脚にも、ファンの列が乱れることはない。この日は、THE PINK MINDSが新体制で初めて臨むワンマンライブ「桃色レジスタンス」の開催日だ。4月のサプライズお披露目から約4か月。定期公演を重ね、6月に新衣装と新曲「前髪レジスタンス」を披露するなど、着実に5人体制の輪郭を描いてきた彼女たちが、満を持して新体制初の単独公演へと挑んだ。

THE PINK MINDSにとって、この単独公演は決して平坦な道のりではなかった。過去ワンマンの200人完売を大きく上回る500人規模への挑戦。その重圧の中、彼女たちは1週間前にチケット完売という最高の結果を掴み取る。公演前日には東出が当日券販売なしの告知を喜び、北川もこれまでの歩みを振り返りながら「ようやく恩返しができる流れがきている気がする」と、それぞれのSNSに熱い想いを明かした。

ライブタイトル「桃色レジスタンス」は、11月25日にリリースを控える新EP『桃色東京』に呼応したものだ。新しい衣装と楽曲を携え、5人がこの大舞台に立つ準備は整っていた。

AGE OF MINDSの幕開け

幕開けを飾ったのは、デビューシングルの表題曲「ノーレシピ♡LOVE」。グループの原点ともいえるこの曲を1曲目に据え、開演前の雨の記憶を鮮やかに塗り替えるように、会場のボルテージは一気に最高潮へと達した。

続く2曲目と3曲目には、先輩グループの楽曲が並んだ。ZOCの「BEGGiNG」では、飾らない本音を叩きつけるようなエモーショナルな歌唱を披露。赤と青のライトが交錯する中、MINDSらしい強さとかわいらしさが同居する空気感を構築していく。そして「AGE OF ZOC」では、新体制5人による新たな時代の幕開け、いわば”AGE OF MINDS”を感じさせる一曲となっていた。間奏では現役プロボクサー・キュアタカナによる鋭いシャドーボクシングの演出が飛び出し、観客を圧倒した。そのキレのある動きは、単なるカバーを超えたTHE PINK MINDSならではの唯一無二の表現へと昇華されていた。

3曲を歌い切った息のまま、メンバー5人が一列に並ぶ。MCでは「ちゃんと喋ると泣いちゃいそう」「こんなに涼しい顔してるつ輝が、実は裏で一番泣きそうだった」という、開演前の楽屋の様子を明かすやりとりも交わされ、客席は優しい微笑みで溢れる。

感動とともに、500人ソールドアウトへの深い感謝が語られた。「私たちの目標、夢をみんな諦めないで一緒に叶えてくれて本当にありがとうございます」「まだ3曲目だけど、ここから最後まで今日満足してもらえる日にできるように全力を尽くします」と、決意を新たにした。

 3人の到達点、5人の新章

撮影可能曲として放たれた「NEWろんりーロリータ理論」は、3人体制時代の集大成ともいえる一曲だ。ライブ定番のコールが響き渡り、客席から贈られるメンバーコールが大きなうねりとなってステージを包み込む。

その熱気を受け継ぐように披露されたのが「前髪レジスタンス」。新体制の始まりの曲だ。3人の到達点から5人の新章へ。この2曲の鮮やかなコントラストが、グループの進化を象徴的に描き出していた。

ライブ中盤、会場の雰囲気はより内省的で深い色彩を帯びていく。序盤を彩った華やかなスポットライトは一転、余計な装飾を削ぎ落とした白基調のライティングへ。言葉と歌声そのもので魅せる、抜き身のMINDSの時間が始まった。

大森靖子のソロ楽曲カバー「GIRL’S GIRL」では、自らの意思で”かわいい”を選び取る反骨心を体現。ソリッドな楽曲の中で突き抜けるような「女の子らしさ」を見せる構成は、まさにTHE PINK MINDSの精神性と重なる。

続けて披露されたのは、ともに3人体制時代から歌い継がれてきたオリジナルソング。「変わらないためには今日変わらなきゃ」という一節が、3人から5人へと形を変えながらも芯を保ち続けてきた彼女たちの歩みと静かに重なる「じゃない、がしたい」から、優しいアコースティックギターのイントロから始まるロック・バラード「変態ども」へ。余計な音を足さず、シンプルなアコギのメロディと歌声にすっと聴き入らせる構成にはMINDSらしさが滲むように、またどこか儚さを漂わせる5人をその優しい旋律がそっと包み込むようにも聴こえた。東出は、かつて「音楽は届く人にだけ届けばいい」と斜に構えてしまった時期があったと明かしていたが、これらの曲には、そうした3人で一つの世界観を作り上げていた頃の強い想いが色濃く滲んでいるように映る。

全力の表現ゆえに乱れた前髪、その隙間からのぞく剥き出しの表情。整えられた偶像が崩れ去り、生々しい人間性が露わになる。悲痛さと健気さが同居するような歌唱で聴かせ、歌い終わりに客席へと伸ばされた手が、静かな余韻を残した。

畳み掛けるようにMAPAのカバー「怪獣GIGA」へと雪崩れ込む。先輩グループの楽曲を全力でカバーし尽くすステージは、赤と緑の怪光が明滅する中、サビでは客席へ襲いかかるようなダイナミックなパフォーマンスを展開。大サビ直前、会場が静寂と暗闇に支配された直後、一筋のスポットライトがステージを射抜く演出は、暗闇から光を見出すような強烈なインパクトを残しながら、そのまま深い青の光へとなだらかに引き継がれていった。

 青い光の中で、原点へ——そして、新曲解禁

会場が深い青に染まり、披露されたのは「最終形態前夜SCAPE」。静まり返ったメロディの中、海老一が叫ぶように歌い上げる。まっすぐに覚悟を宿したその歌声は、観客の心を静かに震わせた。

そして、青い光が消えると同時に放たれたのが、新曲「素行悪い友達」だ。サビへ向かうにつれて疾走感が加速し、胸を締め付けるようなエモーショナルなメロディが畳み掛ける。そのコントラストは、時には傷つきながらも走り続ける5人の生き様を、鮮烈に際立たせていた。EP『桃色東京』に収録されるこの曲は、本公演が完全初公開となる。過剰な演出を廃したシンプルな照明の中で、彼女たちは歌とダンス、その純粋な説得力だけで勝負に出る。

器用でなくても、自分たちの美学を貫き通す。回り道を厭わず、努力の果てに、自分たちなりの”可愛く生きる”を選び取ってきた。500人という目標にようやく辿り着いた彼女たちの歩みが、この新曲に重厚なリアリティを与えていた。「素行悪い友達」は、今のMINDSにしか歌い得ない、新たな代表曲の誕生を告げていた。

本編の最後を締めくくったのは「FINE heART」。内面を叫ぶような、極めて彼女たちらしい一曲だ。これまでの内省的な雰囲気を突き破るように、ステージには鮮烈な黄色と白の光が溢れ出す。”本音”を晒し切った先にある、”再出発”の光。今のTHE PINK MINDSが持つ全エネルギーを放射し、本編は圧巻のフィナーレを迎えた。

 アンコール――5色のペンライトが咲く

アンコールを待つ間、客席はファンの掲げるペンライトによって5色の光に染め上げられた。その見渡す限りの花畑のような光景は、メンバーとファンが共に歩んできた絆の証だ。アンコールを渇望する声は、会場を揺らすほどの熱量を帯びていた。

再登場の1曲目は「非国民的ヒーロー」。サビ前で「君」に呼びかける瞬間に光を灯すこの演出は、この歌が一人ひとりのファンに向けられたメッセージであることを強調していた。

曲を終え、5人は静寂の中で、今日という日を迎えた想いを一つずつ丁寧に紡いでいく。

まず語り始めたのは近江環だ。「本日はお越しくださりありがとうございました」と感謝を伝え、「マインズに加入させていただいてから約3ヶ月経って、賛否の言葉をいただいたりもして、そういうのを全部含めて、私はTHE PINK MINDSに来れてよかったなと思っています」と心境を明かす。

「インターネットだけが友達だった日々を思うと、この音楽をずっと好きでいたその先に、こんな500人の人たちと、素敵な仲間たちと出会えるっていうのは本当魔法みたいな感覚で…たしかに音楽は魔法ではないけど…でも自分の中で音楽はやっぱり一番、最も魔法に近いものだなって思いました。人生って嫌なことばかりあるけど、たまにこうやって一生分の一瞬をくれるなって実感が持てていて、心底生きてみようかなと思っています。その先に幸せを分け合える皆さんと一緒にいられたら嬉しいしこんな一瞬を積み重ねていきたい」と、声を震わせた。

続くキュアタカナは、「今まで様々な活動をやってきて、こうやって近い距離感で仲間と一緒に何かを作り上げるっていうのが、こんなに楽しいことで尊いことなんだなっていうことを、本当に気付かされました。メンバーやファンの方と喜びや痛みを分かち合えることが幸せです」とまっすぐに語る。自身の立ち位置についてもこう続けた。「私はTOKYO PINKさんの音楽に触れてきた歴が、このメンバーの誰よりも浅くて。そんな私みたいに、これからTOKYO PINKの音楽を知っていきたいという人たちに届けられるアイドル活動をしていきたいです。今日はこんなに素敵な景色を見せてくださって本当にありがとうございます」

涙ぐみながら切り出したのは海老一「今回のワンマンが決まった時、心の底から喜びたかったけど、TOKYO PINKに入ってからの2年半で200人のキャパを埋められたのが1回しかなくて。たくさん悔しい思いをさせてしまったし、みんなのことを幸せにしたいのにずっと同じところに留まってしまっている気持ちがずっとあって。200人を埋められないのに500人は無理かもって思ってた」と正直な弱音を吐露しつつ、「でもみんなが私たちのことを信じて、諦めないでいてくれたから、今日500人埋まりました!」「本当に嬉しいの…みんなのおかげで永遠に一歩近づけました」と、ファンとともに目標動員数を達成した喜びを噛みしめるように語った。

声を詰まらせながらも、「みんなとかなえたいことがいっぱいあって。それはただ単純に、夏フェス出たいとかツアーやりたいとか、そういうのじゃなくて……みんなとやりたい(ことがたくさんある)」と続け、「これからもついてきてくれますか?」と熱く問いかけると、「これからも永遠に何卒よろしくお願いします!」と涙ながらに力強く結んだ。

東出は、「本当に今日は来てくださって、皆さんありがとうございます」とあらためて深く感謝を伝える。「ステージに立たせていただいてから2年半」という月日を振り返り、「やっと今日心の底から自分や今までやってきたことを認めてあげられる気がしている」と、涙ぐみながらもどこか感動と安堵の入り混じる表情を浮かべた。「ステージに立ったときから私にとって大切な音楽を、今度は届ける、大切に届けていこうという気持ちはずっと変わらなくて」。そう決意を語り、「THE PINK MINDSの音楽をこれからももっともっといろんな人に届けていくために、向き合って立ち続けたいと思います」と、グループの未来を見据えた言葉で締めた。

最後に、北川が万感の想いを口にする。「今日は改めてずっと言ってた目標の500人をかなえてくださって、皆さん本当にありがとうございます」。そして、「お待たせしました、という気持ちです。みんなにやっと恩返しができたかなってちょっと思ってます」と続けた。「正直、マインズの時代が来てると思うので!これから私たちともっとでっかい景色見にいく準備できてますか!」と会場を鼓舞し、「こうやって今日出会えたのは、私たちがやり尽くしてやり尽くして、全力で向き合ってきて、君たちが見つけてくれたからです」とファンへの感謝を捧げ、ラストソングへと繋いだ。 

アンコールのラストを飾ったのは、この日二度目となる「FINE heART」。2階席まで総立ちとなった会場では、古参ファンも新規ファンも関係なく、全員がメンバーに応えるように拳を突き上げる。雨の中待ち続けた500人の想いを受け止め、命を削るようにパフォーマンスを全うした、壮絶かつ美しい締めくくりだった。

すべての演奏が終わったあと、メンバーは「これからも永遠に一緒に夢見ようね! 以上私たちTHE PINK MINDSでした!ありがとうございました!」とこの日のワンマンの幕を下ろした。

回り道でも、努力した先で――THE PINK MINDSにとって、この500人の景色は通過点に過ぎない。新しい仲間、衣装、楽曲と共に辿り着いたこの夜は、一つの到達点であり、同時に未踏の地への出発点だ。3人が守り続けてきたものは5人の誇りとなり、彼女たちのレジスタンスはこれからも続いていく。

PHOTO:汐留シユ

TEXT:松本新之介(.yell inc.)


【セットリスト】

―― 本編 ――

M1.  ノーレシピ♡LOVE

M2.  BEGGiNG

M3.  AGE OF ZOC

M4.  NEWろんりーロリータ理論

M5.  前髪レジスタンス

M6.  GIRL’S GIRL

M7.  じゃない、がしたい

M8.  変態ども

M9.  怪獣GIGA

M10. 最終形態前夜SCAPE

M11. 素行悪い友達 ★初披露

M12. FINE heART

―― アンコール ――

EN1. 非国民的ヒーロー

EN2. FINE heART


【事後通販情報】

THE PINK MINDS 新体制ワンマン

『桃色レジスタンス』

グッズの事後通販販売中

通販ページはこちら

tokyopink.stores.jp

販売期間:2026/8/21(金)18:00 – 9/1(月)23:59【本日最終日】


【ライブ情報】

「月刊桃色心臓 vol.11「御伽と念」」

•  日時:2026年9月15日(火)
OPEN 19:00 / START 19:30

•  会場:新宿MARZ

•  出演:THE PINK MINDS / ゲスト:赤いくらげ

チケット情報

一般チケット(先着)

¥3,500(+1D)

https://livepocket.jp/e/l16ow

2026/8/15(土)22:00 – 9/15(火)18:00


【ライブ情報】

「まいんず交友記 vol.2」

•  日時:2026年10月29日(木)
OPEN 19:00 / START 19:30

•  会場:AiSOTOPE LOUNGE

•  出演:THE PINK MINDS /
ゲスト:ゆっきゅん

チケット情報

1.  FC限定 おうえんチケット(抽選)
価格:¥10,000(+1ドリンク)
特典:宛名入りデコチェキ、優先入場
抽選申込期間:2026年8月21日(金)22:00 ~ 8月29日(土)23:59【申込期間終了】


※THE PINK MINDS公式ファンクラブ内タイムラインからお申し込みください。


FC入会はこちら → https://fanicon.net/fancommunities/5561

2.  一般 通常チケット(先着)
価格:¥3,500(+1ドリンク)
販売期間:2026年9月1日(火)21:00 ~ 10月28日(水)23:59


チケット購入はこちら → https://ticketdive.com/event/thepinkminds_1029

3.  一般 グッズTシャツ着用チケット(先着)
価格:¥2,000(+1ドリンク)


※出演者のどちらのグッズTシャツを着用してもOK


販売期間:通常チケットと同じ
チケット購入はこちら → https://ticketdive.com/event/thepinkminds_1029

この記事を気に入ったらシェア!